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Yuki&Yumi ふたごの前から消えたもの

Yuki&Yumi ふたごの前から消えたもの
「.....Mikaちゃん、私達のことも知りたい?」
YukiがMikaにたいして問うた。
「........話してくれるなら。もちろん。」
その事を聞くと、Yukaが先にクチをひらきはじめた。


事故説明会につくと、二人のそっくりな小学生の女の子をみかけた。
思わず、声をかけてしまった。
「やっぱり目立ちますか?私達一卵性双生児なんです。」
聞いた話では、飛行機の機長の娘だそうだ。
「本来ならば、母が来るはずなのですが、ショックで入院してしまったので...」

彼女達も、彼女達のお母さんも、「誤爆」という事を信じられてないようだった。私達だけではなかったという事実だけで、すこし気が楽になった。
「今回、レコーダーが探してもみつからないという報告だそうです。信じられますか?」
Yukiの台詞に対して、YukaとMakotoは首を振った。
「父と乗務員や乗客は、なにかの意思で殺されたんです。」


やっぱりこれは殺人....。そう思っている人が他にもいた。
でも私はなにもできない。でも、時間はそれに関係無く進んでいく。


「Cafe Black Catオープンおめでとう。」
makotoが店のドアを開けた。
「Mikaちゃん、来年小学校入学よね。なにか考えないとね。」
電話のベルが鳴った。 「はい、Cafe Black Catです。」
電話の声は、....Yukiだった。なにか慌てているみたいだった。
「Yukaさん、家が....家が....」
「わかった、すぐにそこにいくから落ち着いて、消防署に電話して」
「かあさんが...かあさんが....」
後でYumiが叫んでいる。
「mokotoくん、いまから車だせる?」
「うん問題ない。」


いくら速度を出したとはいえ、一般道だ。救急車じゃない限り他の車があればそれに従わなければならない。
ついた頃にはすでに、全焼したあとだった。
「おかあさんが....しらないひとに....それで....家が爆発して....」
Yukaをみつけると、泣きついてきた。Yumiも、Yukiも。

事後の検証で、2人の母だと思われる骨がみつかった。
消防署の発表では「ガスの元栓の閉め忘れによる爆発。
ふたりの「母が誰かに切り殺されたあとに爆発した」という証言は、「錯乱状態での空想」だと判断され、報告書には書かれなかった。



「それで、家が燃えちゃったので住むところがないから、Yukaさんの家に来て、未だにいついてます。Yukaさん、それでいいんでしょうか。」
Yumiが首をかしげた。
「それでいいのよ。あなたたちさえよければ。」



「私の夫は、makoto1人よ」ときこえた気がした。幻聴かな。

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